グルカンサプリの効果

このαグルカンはβグルカンより分子量が小さいため、腸管で消化吸収され、肝臓で代謝されて免疫活性を発揮すると説明されています。AHCCはがんの予防と治療のほか、糖尿病などの生活習慣病、肝臓疾患にも効果があるといわれています。カプセル、ドリンクなどがあります。◎がんへの効果の信頼度AHCCは試験管内や動物実験では、マウスの皮膚がん発生が抑制されたというもの、抗がん剤と併用投与したラットの実験でリンパ節転移の抑制や延命効果が認められたというものがあります。しかし、ヒトを対象にした臨床研究はどうかというと、科学的信頼度の高い臨床試験はほとんど行われていません。

 

比較的多いのは、健康食品を用いた医師の体験的報告です。例えば、AHCCを経口投与した末期進行がん患者で、免疫に関わるサイトカインの産生が増強されたというケースがありますが、このサイトカインの産生増強は治療の側面的効果を示すものではあれ、そのまま抗がん効果にはつながりません。また、こうした医師の体験は「症例報告」( 28ぺ‐ジのコラム参照)あるいは「症例集積」に相当し、臨床研究では科学的信頼度は高くありません。これより少し科学的信頼度が高いものでは、肝細胞がん患者の「ケースコントロール研究」があります。肝細胞がんの切除手術を受けた患者さん269人をAHCCの経口投与群と非投与群に分け、約10年間追跡調査したものですが、再発までの時間や生存率で投与群に有意な差が認められたとしています。AHCCが術後再発を抑制している可能性が示唆されました。しかし、この臨床研究は患者さんの振り分けが無作為でなく、非投与群へのプラセボ(偽薬)投与もないので、客観的信憑性が低くなります。

 

いずれにしても、AHCCは科学的信頼度の高い臨床試験が不足しており、ヒトのがんに対してどれだけ有効か明らかではありません。◎他の病気への効果は?AHCCの糖尿病や肝臓疾患などへの有効性については、信頼できる臨床データはないようです。